地球

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動物看護師になりたてのころ
初めて妊婦猫のレントゲン写真をみた時
とてもとても感動した
とても感動して しばらく目が離せなかった

ちっちゃい頭蓋骨!
ちっちゃい背骨!
ちっちゃい猫が猫のおなかに入っている!
ぴゃー!


その妊婦猫はとても小柄で
帝王切開をすることになった
おなかから次々出てくる仔猫たちを蘇生する

はちみつ色の仔猫たちは
みんな元気に ぴゃー! とないた
わたしもまねしてぴゃー!とないた
そしてこっそり魔法をかけた
一生幸せでありますように


なんであんなに感動したのだろう?と
考えてみてもわからなかった
だけどこんな神秘的なことがあたりまえにはびこっている
そのなかに生きていることに希望を感じた
純粋に生きていることに大丈夫と思えた
無敵かもしれない とまで思った






どうしようもなく気分が沈んでしまうときは
そのレントゲン写真を思い出す
ものすごい神秘のなかに生きていることを思い出す


海 水 木 花 雨 雲 鳥 蜂 魚 心 体 脳 猫
小鳥のさえずりに心安らぐ
小鳥の声と人間の心の間にさえ
なんらかのゆらぎのメカニズムが作用している
この星の光のような仕組みと営み
あっとうされてうちのめされる摩訶不思議


ここは奇跡の星