七
ちいさいころ おそろしいほどの執着をもって
大切にしていた ぬいぐるみがいました
ななちゃん
わたし作のえほんによく登場しています
(「ななちゃんとアシベくん」参)
がっこうもいっしょ おけいこもいっしょ おふろもいっしょ いつもいっしょ
ななちゃんの名前は 「七」とゆう漢字で わたしがつけたのだけど
「七」って 「生きること」 とゆう意味があるんですって
七 がずれると 「亡」 なくなってしまうでしょ
いつも生きてることがふしぎでフワフワ浮いてたわたしは
七ちゃんに 繋ぎとめられていた気がします
ななちゃんとお風呂にはいって
絶叫して反対したのに 母に脱水機にかけられて
耳を洗濯バサミでつままれて干されるななちゃん
いたたまれなくて
夜中にこっそり 洗濯バサミからはずし
そっとベランダのてすりのヘリに置いておいたんだ
さむいから とかいってハンカチを巻きつけて
そして朝には飛ばされていて ゆくえふめいに
わたしの捜索徘徊と号泣っぷりは 想像を絶するものでした
ななちゃん 今 どうしているかしら
とってもあいたいわ