浸透力

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その昔のそのまた昔
心療内科でお薬をもらっていたころ

いつもの無関心な先生がお休みで
代診の先生の診察だった



「こんにちは どうされましたか?」

いつものお薬を頂きたいです


「ご飯は食べてますか?」

はい


「眠れていますか?」

お薬があれば



「今一番辛いことは何ですか?」

…いえとくに




色々と質問をしてくれるのだけど
いえとくに大丈夫ですお薬をいただければ とかわしていたら
腕の傷に気付いて消毒してくれた





「助けたいと思っていますよ
なにか力になれることはありますか?」


お薬の処方だけが続いているのを心配して
いつもはここで診察をしてるのでと名刺をくれた


その名刺は帰り際に捨てたのだけれど
その一回しかお会いすることはなかったのだけれど

関根先生にありがとうと言いたい



向き合ってくれた
手を差しのべてくれた
憐れむような困った目ではなくて
慈しむような優しい目で
しばらくじっとみつめてくれた





助けたいと思っていますよ
なにか力になれることはありますか?




浸透力 半端なかった
優しい言葉と優しい目と手
それだけでひとを救えることもあるって知った




ちょっとずつちょっとずつ
周りのひとの優しさが浸透して
心に栄養が行き渡る



そのつよくて優しいひとたちの浸透力に憧れる



そんな存在になりたいや