たてほこ
その昔 朝出勤したら
病院の前にダンボール箱が置かれていました
中身は 子猫と手紙と貯金箱
『 ケルビムさんへ
のらねこをひろったんですが
おかあさんにかうのだめといわれ
どこにもおけなかったので
かわいがってくれるひとに
あげてくれませんか?
じぶんのおこずかいしかだせないです
ごめんなさい 』
ありがとう
優しい子
あとはまかせて
その子は きっと
飼えないから捨てて来なさいと言われ
どこにも行き場がなく
ケルビムにたどり着き
でももし助けてくれなかったらどうしようと
声を掛けられずに こっそり置いていったのではないでしょうか
かわいそう助けてあげようと思った心を
だれにも受け止めてもらえなかったのではないでしょうか
いのちの授業でいくら
命は大切だよー て叫んだって
いのちに対する社会の矛盾を
こども達は感じるだろうと
わたしは感じる