帰り道
幼なじみが 猫たちにチュールを贈ってくれた
50本ものチュール
さくちゃんの目がらんらん
中学時代は いちばんつらい時期だったけれど
当たり前のことが 泣けるほどうれしい時期でもあった
自分をとてもみにくい 恥だと思っていて
人の目の怖さと馴染めなさと緊張で
学校でわたしはとてもおとなしかった
いつもばくばくしていた
3年生の時のクラス替えで
幼なじみとはじめて同じクラスになった
向こうの方から走ってきて にっこり笑顔で
「みく~ 同じクラスだね!」と言われた
うれしかった
泣きそうになった
その瞬間が今でも忘れられない
でもいやだ とも思った
学校でこんなださいなんてしられるの
やつはそれに気づいていたかもしれないけれど
「みく~ 一緒に帰ろ~」なんて言ってくれて
じゃんけん荷物持ち をしながら帰った
負けたほうが勝ったほうのカバンを次の電柱まで持つのだけれど
負けたやつはわたしのカバンを放り投げて うん〇の上に着地させた
「〇〇士 ってつく職業ってかっこいいよね
消防士とか 看護士とか 弁護士とか 」
なんて話をしながら帰った
あの帰り道が 中学校の3年間の中で
いちばん楽しかった
あのころ さみしいとゆう感情をもてていたのは
さみしくない とゆう感情をしっていたからだ
本当にさみしいのは さみしさをしらないこと
自己否定にまみれて
家族ともうまくゆかなくて
学校もつらくて
まわりと関わらず
ひとりでいるのがらくちんだったのに
ときどきとてもさみしくなった
わたしもなりたいと思った
みんなみたいに楽しそうに
その憧れをあきらめなかったのは
あの楽しい帰り道のおかげかも