ひとつぶ



「 生飯(さば)」
器のごはんから七粒ほどとって戸外に置く
それを小鳥などが食べに来る
頂いた命を自分だけではなく
生きとし生ける命に恵む 
自分の命をつないでくれる食事のごくわずかを
他の命あるものに捧げ
それをついばむことによって
小鳥が命をつないでゆく 



ひとつぶのお米で
循環する命




いまもいままでもなんだったのだろう
ひとつぶのお米さえ捧げることもしなかった
ただ自己保身で生きていて
ただ地球を汚しているだけじゃないの
このカス!






そう思ってしまうことは仕方がないけれど
食べた命たちに申し訳ない と思うけれど
地球ごめんなさい と思うけれど
今までの生き様を否定しなくてもいいと思えた




わたしのつぶはとてもおおきくてあらけずりなのだ
宇宙のあらゆるグリッドに通らなかったのだ
それが細かくなるように
削られて磨かれている過程


愛に近い微細な粒子になるために
分け隔てなく浸透してゆけるように
ひとつぶの循環に参加できるように




ひとつぶのつぶてがつくるうつくしい波紋
ひとつぶが投じられて波紋が生じひろがってゆく
世界はこんなふうにひろがっているのかな

だからカモンをとても美しいと感じるのかな
イメージ 1
(「カモン」参)






ことりもつぶで
わたしもつぶで
つぶもつぶ

宇宙のすべては粒子でできている




美しく ちゃぽーん とおちるつぶもあれば
粗々しく ばっちゃーん とおちるつぶもある





よい粒にならなくちゃ




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                                                    うちのよいこのつぶ